Lyrics
舞台『魔法使いの約束』MainStory
●第一章
ムル
風が強くて 猫が騒ぐ 明るい満月の夜には
何か不思議なことが起こるー…
魔法使い
はじめまして賢者様 ようこそ 壊れかけの世界へ
魔法使いと人間が共存する異世界
賢者 今 鳴り響く 触れた指先が
魔法使い 奏でる始まりの合図
全員
廻る 廻る 巡る 巡る
繰り返される 満ちては欠ける
繋ぐ 繋ぐ 紡ぐ 紡ぐ
破られることのない約束を交わそう
カイン/ブラッドリー 手にした力で
ヒース 何ができる?
愛憎 空を飛べる
双子 カタチを変える
ファウスト 火をおこせば
オズ 暗闇を照らすこともできる
アーサー でも自分を信じることは 自分にしかできないから
賢者 俺は、俺は…?
全員
廻る 廻る 巡る 巡る
繰り返される満ちては欠ける
繋ぐ 繋ぐ 紡ぐ 紡ぐ
破られることのない約束を交わそう
月に愛されたこの世界は 傷だらけで とても 美しい
オズ/双子/愛憎/ブラッドリー/ファウスト/ヒース/カイン
Ah…残された傷跡 抉られた爪痕 完全なる…敗北
アーサー
「どうしたというんだ…今回の被害の大きさは尋常じゃない」
選ばれし賢者の 魔法使いたちよ どうか無事でいてくれ 私は私のできることをー…
オズ/双子/愛憎/ブラッドリー/ファウスト/ヒース/カイン
Ah…終わりのない戦い 出口のない迷路
カイン「負け知らずの戦いのはずだったのに……!」
完全なる 敗北…
ファウスト
ファウスト「ああ…わかっていたよ…。いくら魔法が使えた所で何も出来はしないのだと。仲間を助けることも、この世界を救うことも…!だって僕は、 誰よりもその事を知っているのだから…!!」
手にした力で何ができる…?
空を切り裂き カタチを壊し
おこした火は 暗闇を燃やし尽くすだけ
ねえ 誰かを信じた先に 何が待っていると思う?
絶望と地獄…
賢者「どうしたらいいんですか!?」
オズ「手を。 私の名はオズ。中央の魔法使いだ。賢者よ…、お前の力を借りる」
今にも尽きそうな 生命の灯火
繋ぎとめるために力を借りる
この手に…この手に…
呼び覚ませ生命よ
尽きる時は今ではない
賢者がお前を生かすと決めた
アーサー
覗き込んでも 果てが見えない 暗闇のような深い溝
人と魔法使いのその狭間… 一筋の光は射すのか?
一面の白 前も見えない 暗闇のような吹雪の中
幼き頃の私 あの人に…一筋の光に救われた…
私もいつかあの人のように 一筋の光となって…
オズ
樹々がざわめき 森が華やぎ 大地が歓喜に震えている…
生ぬるい息吹きを弾ませる 生き物のように
躍動する闇 躍動する星〈大いなる厄災〉がもたらした
太古の気配 原始の匂い…?
「何が起きている…?」
今にも墜ちてきそうな… 月よ
「『ヴォクスノク』」
ムル どこが好きか教えてあげようか?
シャイロック どこですか?
ムル きらきらしてるところ
シャイロック そうですか
ムル きらきらしてるものが好きなんだ
シャイロック 月に焦がれて
ムル だから近づきたくて
シャイロック 月に狂わされて
ムル でも近づきすぎると見失う
シャイロック 砕け散った欠片も
ムル きらきらしてる?
シャイロック してるでしょうね
ムル じゃあ、それも好き
ムル
ポケットには何が入ってる? きらきらしたもの かもしれない?
朝食の皮肉?ポケットにしまいたくても きみはあまりにも大きいから
しまうことはできない
シャイロック
誰よりも聡明で 誰よりも高潔なあなた…
ムル
夜空を見上げて ねえ、きれいでしょ?
シャイロック「あの月を想うのはやめなさい」
ムル
愛しくて 恐ろしい 俺の厄災 また会いにおいで必ず…
ヒース 本日の朝食はおじや(おじや) ミルク粥のようでだしが肝心
賢者 本日の朝食はおじや(おじや) 見慣れない食材 調味料
賢者 飛んできた卵
ヒース/パワーズ ふわふわかき混ぜ 海藻らしきもの
賢者 鍋の中で膨らんでゆく
賢者「これは?」
ヒース「沈没草です」
賢者「沈没草?」
ヒース「船に絡みついて沈没させる草です」
賢者「え!?……っ!魔法って、便利だなあ…!」
ヒース コーヒーは自分でドリップ(ドリップ) 魔法は使わない
賢者「どうしてですか?」
ヒース「そのほうが美味しい気がするんです」
…
…
ヒース「ファウスト先生も猫好きです…!」
賢者「気が合いそうです!」
ヒース「怖そうだけど、いい先生なんです!先生は、俺に教えてくれました」
ファウスト 人が体と物を繋げて使うように 魔法は心と自然を繋げて使う 心次第…
賢者「心次第…?」
ヒース「そう…」
心を裏切れば約束や契約を破れば 魔力を失う
ヒース「だから魔法使いは、めったに約束をしません」
ファウスト すべて 心次第…
ヒース 魔法でできることは多いけれど
ファウスト できないことも もちろんある
ヒース 死者を生き返らせたり
ファウスト 時間を巻き戻したり
ヒース 無から有を生み出すことは
ファウスト・ヒース できない
…
…
賢者「ちょっと…びっくりしました。魔法を使えば何でも出来るって勝手に思ってたから…」
ヒース「人間と同じで、魔法使いにも出来ないことは沢山ありますよ。…でも、そうは思われていない…難しいですね、わかってもらうのって…」
賢者「…きっと、お互いの事を知らないからだと思います」
…
…
ファウスト 魔法は心と自然を繋げて使う つまり心次第…
…………
双子/愛憎/ブラッドリー/ヒースクリフ/カイン
本日の朝食はおじや(おじや) ミルク粥のようで出汁が効いてる
本日の朝食はおじや(おじや) 好みは色々人それぞれ
カイン ベーコン
ムル ムニエル
ブラッドリー フライドチキン
双子 チュロス
ヒース ココット
シャイロック サングリア
オズ/ファウストAh…
残された傷跡 抉られた爪痕 終わりのない戦い
賢者「スノウ?」
スノウ「同じじゃな。昔の我らと」
ホワイト「我らは双子、ずっと一緒じゃったからの。孤独をよく知らんかった。…じゃが、」
双子「「互いを失った時、初めて知った」」
賢者「失った…?」
スノウ
孤独はどんな味がするじゃろ?
孤独はどんな色をしとるじゃろ?
孤独を知る旅に出る夢を何度見たことかー…
ホワイト
生まれた時から二人じゃった
何をする時も一緒じゃった
なにひとつ疑問がないことに疑問を覚えたー…
スノウ「実は、ホワイトは生きてはおらん。…幽霊じゃ」
賢者「幽霊!?」
ホワイト「スノウが我の魂を繋ぎとめて残像を保っておるだけじゃ」
スノウ 真っ白な雪原 泣いて 泣いて… 耐えられなくて我は
ホワイト 我の
双子 魂を、繋ぎ止めた
スノウ「そのくらい……独りは耐えられんかった…」
ホワイト 今でも同じ夢を見る ひとりで旅に出る夢
双子 沈黙と願いと痛みに満ちた部屋で
ホワイト これからも 同じ夢を見よう
双子 二人 同じ夢を…
ファウスト「結局僕には何もできなかった。誰かを護ることも…救うことも…」
生き延びた僕にできるのは呪うことだけ…
遠い昔は夢見ていた信じた友と一緒に
平和な世界を疑うことなくただひたむきに
遠い昔に悟っただろう信じた先にあったのは
絶望と地獄決して消えない恨みの炎
死に損ねた僕にできるのは呪うことだけ…
かつての友を人間をこの世界を
ブラッドリー「ったく、そういうところが陰気くせぇんだよ。てめぇが何を恨もうが誰を呪おうがどうでもいいけどな、 出された飯は食いやがれ!!! 起きて食って話はそれからだ!!」
ファウスト「相変わらず単純な男だな」
ブラッドリー「てめぇが難しく考えすぎなんだよ」
うじうじ恨んでるくらいなら とっとと元気になってそいつをぶっ殺しに行きゃいいだろ!
ファウスト「無理だ。そいつなら、とうの昔に死んでいるからな」
だから…この胸に燻り続ける 決して消えない恨みの炎
ブラッドリー
ますますつまんねぇ人生だな とっとと忘れりゃいいのに
いっそのこと大暴れするのはどうだ?
ファウスト「大暴れ…?」
ブラッドリー
人間なんてどうせみんな一緒だ!
あいつらからすりゃ俺たちは化け物なんだろ?
だったら化け物らしく暴れてやろうぜ!
人間なんてどうせみんな一緒さ!
誰彼構わず ぶっ殺してやりゃいい!
「そしたら、少しはスカッとすんじゃねえのか?」
ヴィンセント
聞こえるか?暗い影の中に潜む小さな声 その呻きが
聞こえるか?「助けて欲しい」と嘆く声「怖い怖い」と怯える声 「嫌だ嫌だ」と呟く声
救えるのは同じ痛みを知る我々だ 魔法に侵された奴らにこの苦しみは決してわかるまい
潜む声に答えを 潜む声にこの手を伸ばそう
賢者
身体の奥から沸き上がる衝動 天に昇る龍のように
見えるのは森林や虹の空 爆発する火山の内部色々な時代 色々な景色
包まれたのは黄金の光まるで月の上に立ったように
ヴィンセント
聞こえるか?暗い影の中に潜む小さな声
聞こえるか?嘆く声 聞こえるか?怯える声
潜む声に答えを潜む声にこの手を
賢者
「俺はこの世界に賢者として呼ばれました。正直なんで俺が?って思いました。だけど、それでも信じてみようって思ったんです。俺が選ばれたのには何か理由があるんだって。この世界のために、俺にも出来ることが何かあるはずなんだって!」
自分を信じることは自分にしかできないから…
「魔法は心次第なんですよね…?ヒースクリフが貴方から教わったって…人間だって同じです。全て心次第…」
特別なことはなにもできないから 強く願うだけです
魔法使いと人間を隔てる深くて暗い溝
そこに…そこに…
「…っ…えっと…」
アーサー 一筋の光…
賢者 「そう…!」 一筋の光を
賢者/アーサー
照らしたい… 光を灯せば 見えてくる
自分のこと 相手のこと
ファウスト ただ暗闇を照らすだけなら火をおこせばいい
賢者 でも一歩間違えば全てを焼き尽くす その一歩を
ファウスト 間違えないために…?
賢者「知りたいんです」
オズ 覗き込んでも果てが見えない 暗闇のような深い溝
アーサー そこに潜む…声
シャイロック 何度も何度もすれ違い
カイン 伸ばした手は届くことなく
ヒース 幾度も幾度も傷つき
ブラッドリー 裏切られて
ムル 忘れた優しさ
双子 埋まることなどない…
オズ そう思うだろう
賢者 でも…
全員 光は全てを包んでくれる
オズ「新しい魔法使いが集ったか」
手にした力で何ができる?
空を飛べる カタチを変える
火をおこせば暗闇を照らすこともできる
だが一筋の光となり深い溝を埋めることは
容易ではないぞ
魔法使い
月に愛されたこの世界は、傷だらけでとても美しい
はじめまして賢者様 ようこそ壊れかけの世界へ
魔法使いと 人間が 共存する異世界
〈大いなる厄災〉によって壊れかけた世界
廻る 廻る 巡る 巡る
繰り返される満ちては欠ける
繋ぐ 繋ぐ 紡ぐ 紡ぐ
破られることのない約束を交わそう
●第二章
魔法使い
これまでのこと これからのこと 書き記しておこう 俺の賢者の書に
この世界には5つの国があり 地域ごとに全然違う性格
それぞれの事情を抱えた魔法使いたち
〈大いなる厄災〉と戦うため 地域ごとに4人ずつ選ばれる
それぞれの事情を抱えた魔法使いたち
魔法使い
はじめまして賢者様 ようこそ壊れかけの世界へ
魔法使いと人間が共存する異世界
賢者 今鳴り響く 触れた指先が
魔法使い 奏でる始まりの合図
全員
廻る 廻る 巡る 巡る
繰り返される満ちては欠ける
繋ぐ 繋ぐ 紡ぐ 紡ぐ
破られることのない約束を交わそう
東 誰しも1人で歩んできた
北 あまりに違う それぞれの道
西 呼び寄せられて
南 今ここで交わる時が来た
中央 それは固く結ばれた絆
全員 それとも因縁のしがらみ
賢者 結ぶか、解くか…
全員
廻る 廻る 巡る 巡る
繰り返される満ちては欠ける
繋ぐ 繋ぐ 紡ぐ 紡ぐ
破られることのない約束を交わそう
月に愛されたこの世界は、傷だらけでとても 美しい
オズ
一面の白 前も見えない 暗闇のような吹雪の中
拾い上げた幼子 気まぐれだ 石にするつもりだった最初は
浮かんだ紋章を逃れることなどできると 言うのか それでも
ルチル
「『オルトニク・セトマオージェ』!人も魔法使いも、言葉を使ってお互いの意思を伝えあうでしょう?」
言葉は大事 心を表す 優しい言葉を使えば優しい人に
ひどい言葉を使えば
仲良し ひどい人に
ルチル 使う言葉で心鮮やかに染まってゆく
ルチル「言葉は魔法と同じなんだ。人を祝福することも、呪うこともできる。」
ルチル/仲良し 祝福の言葉
リケ 使っていきたい僕も!
ルチル/仲良し 祝福の言葉で 染めていこう この心を!
_______________
クロエ「俺さ、せっかくのパレードだし、皆でおそろいの服があればいいなって思ったんだ!」
賢者「おそろい?」
クロエ「そう!『スイスピシーボ・ボイティンゴーク』!」
クロエ
お揃いの衣装身に纏えば きっとみんな1つになれるんじゃないかな?
賢者「なるほど!」
クロエ「でね?実はもう…お揃いのローブと衣装作ったんだ!」
賢者「うわぁ!すごい!素敵ですね!」
シャイロック「ええ、とても…」
フィガロ「いい腕だね」
クロエ「えへへ…」
賢者 投げられるのが
愛憎/フィガロ/レノ/クロエ 花でも石でも
フィガロ 優しい笑顔振りまいて
クロエ 優しい気持ち
レノ 堂々と胸を張って 挑みましょう
ムル「俺達は魔法使い!」
花を火花に 石を宝石に 変えられる
愛憎/フィガロ/レノ/クロエ/賢者
祝福の言葉 届けていこうきっと
祝福の花が一面に
フィガロ 咲き乱れる
ヴィンセント
魔法が生み出すもの 希望、喜び
魔法が生み出すもの 夢、笑顔、まばゆい光
その光が鮮やかであればあるほど
暗い影は濃く暗闇は深く
薄暗い感情がうずき始める
その光が鮮やかであればあるほど
露になるのは傷跡の深
薄暗い感情は膨らむばかり
魔法がもたらすのは悲劇
鳴り響くファンファーレ 軽快な音楽 降り注ぐ紙吹雪 色とりどりの花びら
始まるパレード 英雄のパレード 厄災と戦う勇敢な魔法使いに感謝を込め
万歳!万歳!
賢者の魔法使いに幸あれ 我々の英雄に
万歳!
お揃いの衣装華やかなその姿 一目でも 一目でも!
全員
鳴り響くファンファーレ 軽快な音楽 降り注ぐ紙吹雪 色とりどりの花びら
始まるパレード 英雄のパレード
______
アーサー みんなの声援
カイン 歓声!
中央主従 心から嬉しく思う
賢者 みんなの笑顔が
中央主従 俺たちに
賢者 勇気をくれる
中央主従 どうか楽しんでくれ!
____
シノ 聴いたか?今日1番の黄色い歓声 中央の女の子も可愛いもんだな
ヒース お前の鋼の心臓 俺も見習いたいよ…
____
スノウ ごきげんよう おにいちゃま!
ホワイト ごきげんよう みなちゃま!
双子 全てはこの世界のため みんなのため
____
鳴り止まぬ拍手と歓声 高鳴るリズム
お揃いの衣装麗しきその姿 一目でも 一目でも!
_____
クロエ
みんなが俺を見てる(ムル見てるね)
みんなが手を振ってくれてる(ムル振ってくれてるね)
なんだか人気者になった気分!
シャイロック
愛には何で答えましょう? 甘い誘惑に隠れた欲望
騙して 騙されてこそ美しい…
ラスティカ
愛には愛で答えましょう 甘い歌声が僕を導く
きっと探しだしてみせるから…
全員
空に咲く大輪の花 大歓声と笑顔 降り注ぐ希望の花 色とりどりの
万歳!万歳!万歳!
フィガロ「賢者様は?楽しんでる?」
賢者「あ…はい!でも…あまりこういう場は慣れてなくて…」
フィガロ「へぇ…可愛いなぁ。お楽しみが足りないなら… 俺と踊ろうか。
遠慮しないで、君が男でも女でも、老人でも犬でも、厄災そのものだとしても。
最愛の人を抱きしめるように 踊るよ。」
どう?素敵じゃない?さあお手をどうぞ
賢者「こうして初めて、選ばれた魔法使いが全員揃った。」
ここに集いし者たち 集いし魔法使いたち
師弟/中央主従/仲良し/ムル/ネロ/ルチル 生まれた時代はいつで
愛憎/幼馴染/フィガロ/レノ 生きてきた時間はどれほどか
北/ファウスト 背負ってきたのは苦しみ 痛み
魔法使い 守りたいものがあるか ないか
厄災の傷なし 浮かび上がった紋章
厄災の傷あり 背負わされた役目
傷なし それだけが繋がり
傷あり それだけの繋がり
全員
前を向けと言われても 揃うはずがない それぞれの方向 それぞれの方角…
賢者
みんな違うけど いつかは同じ前を 向けるはず…
手を取り合い戦う 仲間になる
きっと 1つになれる
アーサー 生まれた時代が違う
オズ 生きてきた時間は違いすぎる
ファウスト
背負ってきた過去語り尽くせない… 守りたいものはあるさ もちろん
賢者 それでも
魔法使い 今ここに
賢者 集いし者たち
魔法使い 集いし我々
全員
嵐が起きるか?奇跡が起こるか?
何が生まれて 何を失う?予測はできない…
幼馴染/兄弟/アーサー
呪いの言葉が いつか愛の歌になるかもしれない
師弟/主従/カイン
昨日の悪夢が 希望の正夢になるかもしれない
愛憎/元相棒/リケ
味気ない日々が 美味しいスープになるかもしれない
オズ/年長者/ミスラ/オーエン
誰かの望みが 明日世界を滅ぼすかもしれない
賢者
それでも (魔法使い それでも)
今ここに (今)
集いし者たち (ここに)
全員
集いし魔法使いたち
オーエン
「僕は、僕の事に詳しくないんだよ
……でも、君の事なら知ってるよ。ひとりぼっちの賢者様」
教えてほしい? きみがどう思われているか
きみが何をすると笑われ きみが何をすると褒められるのか
魔法使いとこの世界の人たちみんな
きみが賢者だから相手をしてくれる
賢者じゃない きみになんて用はないもの
きみだって同じでしょ?
「君は君の事を考える時、とても不安になったりしない?心細くなったりしない?
どうして逃げるの?僕は君の話をしているのに」
逃げ出したくなるくらいきみはきみのことが嫌いかい?目を背けたくなるのかい?
ねえ、きみの話をしようよ 逃げないで
僕を見捨てないで どうか導いて
「ねぇ…賢者様」
______
オズ
お前にはお前の名前があるのだ 決して忘れるな
お前はお前だ 些細な呪いに振り回されるな
ニコラス
科学が生み出すもの 希望、喜び
科学が生み出すもの 不安なき明るい未来
ヴィンセント/ニコラス
この魔力を制御して使いこなせば
暗い影は薄れ暗闇は去り 薄暗い感情も消えていくだろう
ヴィンセント 科学がもたらすのは奇跡
ヴィンセント/ニコラス
我々が手にした奇跡 魔法科学の力 この力があれば
眩しすぎる光が 露になる傷跡の深さ 時代が 消し去る力
ヴィンセント 科学がもたらすのは奇跡 最早
ニコラス 最早
ヴィンセント/ニコラス 魔法使いなど必要ない
ファウスト
暗闇に溶けて消えたのは細い細い月 銀色の三日月
真っ黒なキャンバスに残る古い古い傷
銀色の三日月 今はなにも見えない
東 深い深い闇 真夜中の墓地へ続く道
ファウスト「まったく…どうして僕がこんなことに付き合わなくちゃいけないんだ…」
ヒース「すいません、先生…」
ネロ
「よく言うな、」
真夜中の墓地2人だけじゃ危険、そう言ったのはあんただろ
「めんどくさがり屋の割には真面目だな」
ファウスト 同行している お前もな
賢者「お二人ともありがとうございます」
ネロ「あんたまでついてくることなかったのに。賢者様に何かあったら 他の国の連中に怒られそうだ」
賢者「ヒースの聞いた噂っていうのがどうしても気になって…」
ヒース あの塔が崩れたのは地震じゃない
シノ 墓地から出てきた
幼馴染 巨大な鳥の仕業
ネロ「俺には信じられないけどな」
ヒース「でも…!確かに見たという人がいたんです!」
ネロ「塔を壊すなんてそんなのもう怪物じゃねぇか」
シノ「怪物はいるぞ。俺も東の国のシャーウッドの森で、ワイバーンに出くわした」
ファウスト「グランドドラゴンにワイバーンか…」
ファウスト この地に魔法生物が現れてもおかしくはない
シノ「安心しろ。何が出てきても俺が仕留めてやる」
ヒース「おい、シノ!敬語を使え!ファウスト先生は東の国の先生だぞ!」
シノ「まだ何も教わってない」
ファウスト「授業料も貰ってない」
シノ「ふんっ…」
ファウスト「おい、そっちじゃないぞ」
シノ「あの丘の墓地じゃないのか?」
ファウスト「違う…あそこは」
処刑の丘
ヒース「処刑の丘…?」
処刑されたのは盗賊や人殺し そして 英雄になり損ねた罪人たち
シノ「何故英雄のなり損ないが罪人なんだ」
ファウスト「……何故だろうな」
賢者「ファウスト…どうかしたんですか?」
ファウスト「…いや、」
行くぞ、僕に着いてこい 僕からはぐれるな
東 暗い暗い道 真夜中の墓地が目の前に
スノウ「そうはいっても因縁の多い連中ばかりが揃ったからの」
ホワイト「一つになるには少々時間がかかるかもしれんのう…」
スノウ 誰しも1人で歩んできた
ホワイト あまりに違うそれぞれの道
双子 呼び寄せられて今ここで交わる因果な縁
アーサー それは固く結ばれた絆それとも因縁のしがらみ 21本の信念
_____
ヒース「さっきの本気じゃないよな!?俺を東の将軍にするだなんて…」
シノ「本気だ!!…ヒースクリフ・ブランシェット。貴方にはそれだけの器がある」
シノ
俺がお前を英雄にする 俺が与えるものを拒むな
魔法使いであることを隠すな 恥じるな
俺がお前を必ず守る それが俺たちの……
ヒース
心を裏切れば 約束や契約を破れば
魔力を失う…… 例え騙された約束でも
今こうしてお前が隣にいてくれるなら…
_____
レノ「…昨晩、墓地に行かれたそうですね」
ファウスト「……だから?」
レノ「では…あの丘の近くも、」
ファウスト「だったらなんだ!?……もう僕にかまうな」
レノ「初代国王…アレク・グランヴェル。
貴方は何故、ただ一人の親友に火炙りの刑を科してしまったんですか…!」
レノ
理想の時代を目指してひたすらに駆けてゆく あの人のその背中を最後まで追い続けた
ファウスト
理想の時代を目指してひたすらに駆けてきた 僕はただかつての友を最後まで信じたかっただけ
行くぞ 僕に着いてこい 僕からはぐれるな
レノそう言った背中決して忘れません
ファウスト
生き延びた僕に出来るのは呪うことだけ……
僕の背中なんて追って何になる?着いてくるな
はぐれて迷子なるのがオチだ
今は呪うだけの 僕だから
_____
ネロ「…ブラッド、出来れば俺たちの事、他の連中には」
ブラッドリー「ああ、お前はもう俺の相棒でも何でもねえ。
てめぇの事なんざ知るかよ 東の飯屋」
ブラッドリー
死にかけるたびにガチギレして
付き合いきれねえってお前は言ってた
だが無茶な生き方しかできねえのが俺だ
ネロ
短気な馬鹿に見えてそうじゃない
面倒見が良くて着いていきたいと思わせる
だが無茶な生き方はごめんだ
ブラッドリー 裏切られたとは思いたくねえ
ネロ 死に際に立ち会う気はねえ
ブラッドリー まさか
ネロ こんな形で
元相棒 再び 交わるとはな
____
ルチル「魔除けだと言って…お守りをくれました。
母がなくなり、弟と二人きりになった私にとってあの時の思い出が
心の支えだったんです」
ミスラ「どうでもいいです、覚えてませんから。食事中なんで、邪魔しないでください」
ルチル
自分の死期を予感した母 それを知って泣き出す私に
ミスラおじさんは言葉をかけてくれた
ミスラ「あなたとあなたの弟は俺が守ります」
勘違いかな 人違いかな
会いたい 私の あしながおじさん
______
オーエン「人間から見たら、僕らは同じ化け物なんだよ」
カイン「同じなものか!!」
オーエン「同じだよ!あの時だってそうだったろ。
部下と一緒にいた所を僕に襲われた君は、やむを得ず魔法を使った。
そんなお優しい騎士様に…彼等はどんな仕打ちをしたんだっけ?」
カイン「…っだまれ!!」
オーエン「…ッアハハ…」
カイン
俺のことを魔法使いだと奴は見抜いた
足元にも及ばず奪われた俺の片目
オーエン
仲間庇い 剣を振るう絵本の騎士様のよう からかうのが楽しくて 奪ったのは君の片目
カイン 必ず取り戻す
オーエン 嫌いだよこんな色
カイン 取り戻してみせる
オーエン 久々に見上げた光のような色なんて
カイン 俺の左目
オーエン 大嫌い
_____
ミチル「僕が強かったら、南の魔法使いだって馬鹿にされたりしない!
ブラッドリーさんにだって、いう事をきかせられるはずなんです…!」
ミチル
言い負かされて悔しかった 言い返せなくて悔しかった だから僕は強くなりたい
強い魔法を教えてほしいです……
__
フィガロ「自分の欲望を、皆のための正義にしてはいけないよ。
それじゃ、気に入らないやつを処刑する独裁者と なんらかわらないからね。」
「ミチル、悪いけど君には一生強い魔法を教えられないんだよ」
最年長
予言の子どもよ今はまだ幼くあれ……
オズ 今ここで交わる因果な縁 21本の信念
アーサー それは絆か
オズ それともしがらみか
アーサー 見てきた景色は
オズ 驚くほどに違う
強絆 これから見る景色は 我々が見据える前は
賢者 これから見る景色 みんなと見据える 前
西
シャイロック「皆さん、もう少し急ぎますよ!」
西「「いえ~い!」」
風の吹くまま 着の身着のまま 自由気まま
好きなことだけ そのとき次第 風の行方それが西の魔法使い
…
…
ラスティカ「魔法使いの人生は長い、だからこそ、楽しい思い出を積み重ねていきたいからね!」
クロエ「うん!」
師弟
落ち込むことが下手くそで その代わりに笑うのが得意な
ムル ひとりぼっち
シャイロック
どれだけ誰かと一緒にいても 最期は1人 冷たい石
西 温もり求めて寄り添う相手 暖めていたい
ムル 愛していたい
西
風の吹くまま 着の身着のまま 誰かのせいにしたくないから
自分で決める 風の行方 それが西の魔法使い
欠片ムル
「世界中の色んなところに、俺はいるのさ…」
知ってる? 誰だってこの世界の小さなピース
知ってる? 俺も君も小さなピースの1つ
集めれば本物になれる 集めれば真実を知れる
残念ながら ピースはピース 欠片は欠片でしかない
欠片ムル「みんな一人一人違う生き物だ。価値観も優先順位も何もかもが違う。
賢者の魔法使いだってそうだろ?」
賢者「どういうことですか?」
集まっても1つになれない
集まってもバラバラさ
残念ながらピースはピース 欠片は欠片でしかない
賢者
賢者「そんなことないです…」
俺もみんなも小さなピースの1つ
でも集まれば 大きな何かになれるはず…
オーエン「そうだよ、君たちが望む通り…。
君たちの不幸は全部…僕の仕業だよ」
全員
狂いはじめた何か 月が招く悲劇
脅威はらむ歯車を 止められない悲劇
その迷路に出口なし
同じ景色なんて 見れるはずがない
同じ景色なんて 見るつもりもない
集まっても1つになれない集まってもバラバラさ
(信じられない)
残念ながらピースはピース 欠片は欠片でしかない
(魔法使いなんて)
嵐が起きるか 奇跡が起こるか 何が生まれて何を失う?
予測は できない
幼馴染/兄弟/アーサー
呪いの言葉が いつか愛の歌になるかもしれない
師弟/主従/カイン
昨日の悪夢が 希望の正夢になるかもしれない
愛憎/元相棒/リケ
味気ない日々が 美味しいスープになるかもしれない
オズ/年長者/ミスラ/オーエン
誰かの望みが 明日世界を滅ぼすかもしれない
全員
狂いはじめたのは誰?
何?
「全部」
賢者「俺も信じます。皆さんの事も、この世界の事も」
賢者
少しずつだけど思い合う姿見てきた 思い合う言葉触れてきた
互いの視線が向けられるのは 背中だったり横顔だったり
全く 違う方向だったりするけど
賢者「だからこそ、いつかみんなで同じ景色を見ることが出来たら、とても大きな意味を持つ気がするんです。」
絆なら結ぼう しがらみなら
アーサー
ほどきましょう 見える景色が違うからこそ
アーサー/賢者 隣にいる意味がある
賢者
みんな違うから 前も後ろも右も左も上も下も斜めも 全部全部
見渡すことができる
…
?「もっともっと大きくしてくださいね。月みたいにピカピカ光った…その石を…」
…
ヴィンセント
絡み合う因縁さらに深まる溝
手を取り合う日など訪れるはずがない
魔法使い
絡み合う因縁 混沌とした謎 誰が何のために?
終わりは まだ見えない
全員
月に愛されたこの世界は 傷だらけで とても美しい
はじめまして賢者様 ようこそ壊れかけの世界へ
魔法使いと人間が共存する異世界
〈大いなる厄災〉によって壊れかけた世界
廻る 廻る 巡る 巡る
繰り返される満ちては欠ける
繋ぐ 繋ぐ 紡ぐ 紡ぐ
破られることのない 約束を交わそう
●第三章
賢者
バラバラでデコボコ気ままな猫みたい 大事なものも 好き嫌いも
全然違うけどそれでも今 ここにいる それぞれの前を見ている
ヒース 隣にいる誰かに
シノ 胸を張っていたい
クロエ 隣にいる誰かと
ラスティカ 世界中へ旅立とう
ブラッドリー 別れたはずの道なのに
ネロ 再び出会った意味
ファウスト 忘れたはずの過去なのに
レノ 追い続けてきた今
幼馴染/師弟/元相棒/主従
矛盾だらけのすれ違い 難解で美しいパラドックス
リケ 何が正しくて何が悪いのか
ミチル 強い魔法使いになりたい
ルチル どうか思い出してください
ミスラ 覚えてないものは仕方ありません
オズ 隣にいなくても
アーサー 感じ合える絆
ホワイト 隣にいてほしいと
スノウ 繋ぎ止めた運命
オーエン 嫌いなはずの色なのに
カイン 必ず奪い返す
縁/強絆/双子/因縁/仲良し
矛盾だらけのすれ違い難解で美しいパラドックス
シャイロック あなたを誘い込む気まぐれな風
ムル 抱きしめ突き放し愛し合う
フィガロ 近づきすぎには気をつけて
愛憎/フィガロ 見たくないものまで見えてしまうかも
…
賢者/魔法使い
繋いだ手築いた信頼 交わした笑顔
…
ヒース あの塔が崩れたのは地震じゃない
シノ 墓地から出てきた
幼馴染 巨大な鳥の仕業
双子 巨大な鳥の影
ファウスト「おそらく、何らかの儀式が破綻した影響だろう」
賢者「儀式!?」
オズ〈大いなる厄災〉を招こうとした者がいる
ファウスト だが召還は不成立 別の何かを呼び寄せた
オズ媒介に使われた月の石は
オズ/ファウスト行方知れず
…
賢者/強絆/カイン/主従/愛憎/フィガロ
一度繋いだこの手離れるのは一瞬
「オーエン!?」
一度築いた信頼崩れるのは一瞬
音もなく儚く 離れた手 崩れた信頼 消えた笑顔
狂い始めた何か 賢者 誰が何のために…?
狂気孕む歯車が 賢者 導くのは悲劇
その迷路に出口なし
アーサー 見える景色が違えば きっと
賢者/アーサー
ないはずの出口さえも 見つかるかもしれない
賢者 そう 思っていたけれど…
中央 使命を与えられ
東 宿命から逃れられず
西 運命が囁くから
南 懸命に生き抜き
北 天命さえも変えてやろうか
魔法使い
ここで交わった 賢者 みなさんを
21本の道 賢者 この世界を
どこへ導くのか 賢者 信じたい
全員
離れ崩れ消えるのは一瞬
瞬きする間もないたった一瞬
アーサー
手を伸ばしてもまだ届かない 大きすぎるその背中
オズ
拾い上げた幼子知らぬ間に 背丈も伸び顔も大人びた
ルチル「狭い道を邪魔しあって進んでいく…まるで今の私たちみたい。沢山の考え方があって、違う人がいて。別々の方に向かってる。」
ルチル
すれ違う人を睨み付けても 道が広くなるわけじゃない
肩を縮めて 下ばかり見ていても広くはならない
みんな笑って自由に歩ける そのために
南/双子/愛憎/カイン
心の中の道 広げていこう そこで出会う私(僕)たちは一緒に
ルチル
いられるはず
______
賢者
「…。『今でも答えは見つからない、あいつらも見つけられないんだと思う。だから、せめて…俺はあいつらの友達になりたい』……っ…俺も、同じだ…」
この広い世界 みんな1人
寄り添い合える そんな居場所に 俺はなりたい
雨の日の蜘蛛の糸のように 細く頼りない絆でも
歩き出す背中を押す ほんの小さな
「信頼を、築きたい…!」
フィガロ「っ…なぜ僕に話す…!?」
ファウスト「自分が長くないと知ってから、ようやく真剣に考えたんだ」
フィガロ かつて君とアレクが夢見た明日
ファウスト 夢見た世界
フィガロ 人と魔法使いが
フィガロ/ファウスト 平和に暮らす
ファウスト 夢見た世界
フィガロ「その世界を子ども達に残してから、石になりたい。そのためには君の力が必要だ」
ファウスト「っ…僕は信じないぞ。質の悪い嘘で騙そうとしているだけだ」
フィガロ「…そうかもしれないね。これもま!呪いのようなものだ。…おやすみ。ファウスト」
手を取り合い夢語り合って待ちわびた明日 今は違う
明日を夢見るなんて
____
ネロ「明日の朝はパンプティングだ」
リケ「ぱんぷてぃんぐ?」
ネロ「かりかりでふわふわの甘いやつ」
リケ「っおいしそう…!」
ネロ「そうだろ?」
ネロ 明日のお楽しみだ楽しい夢を
リケ 夢見る明日
ネロ 飯のこと考えて
ネロ/リケ おやすみ(なさい) 夢見る明日
リケ「…あの、ネロ!」
ネロ「なんだ?」
リケ「貴方は、人と一緒にいることに向いてないって言ったけど、僕は…ネロと過ごす時間が好きですよ。神の使徒としてではなく、僕自身に向けて言葉をかけてくれた。「これを食べなさい」ではなく「どれが好き?」と聞いてくれるから…僕は…僕の好みを初めて知りました!」
リケ
自分のことドキドキしながら知っていく楽しみ 早起きしたい
明日を夢見る喜び
リケ「明日の楽しみをくれて…ありがとう、ネロ」
クロエ 俺のくだらない空想 空っぽな思い…
クロエ「おれって…馬鹿だなぁ…」
ラスティカ「馬鹿じゃない。君の夢はとても素敵だよ。その子がいらないのなら、このスカーフ僕にくれない?」
クロエ「そんないいものじゃないよ。ラスティカはかっこいいんだから、もっと上等なものを身に着けなよ…」
ラスティカ「これ以上上等なものなんてないよ。これは世界に一つしかない、君にしか作れないものなんだから」
ラスティカ
月の石よりもどんな宝石よりも
僕の大好きな クロエが作った
世界に一つだけのスカーフ
ラスティカ「少し破れているけれど、安心して!僕には裁縫が得意な友達がいるんだ!きっとその子は上手に直してくれる。 そうだろ?クロエ」
クロエ「…っうん!!」
この青い鳥は何度でも
クロエ 何度でも
師弟 自由に空を羽ばたいていく
ラスティカ 君の空を
クロエ 俺の空
ラスティカ 空いっぱいの思いの中を
何度も羽ばたいていく
ラスティカ「泣かないで。笑って、クロエ。
僕らは空に輝く月みたいに近づいては…押し退けられてしまうけれど、
どんな場所でも笑えるし、どんな場所でも 好きな歌を歌って好きな人と踊れるんだよ」
クロエ「うん…ありがとう…ラスティカ…」
ニコラス
月に魅せられた叶わぬ願い
闇よ覆いつくせこの身を堕ちた魂を
ジュード
ピカピカの宝石 もっと大きく このお腹の中で膨らむ夢
「アアッ…痛い!!…いたい、いたい…!」
ミスラ? 夢という名の欲望 ジュード ピカピカの宝石
ミスラ? 美しすぎる不穏な旋律 ジュード 我慢すれば…
ジュード「俺のものだ…!!」
ミスラ?「そうですね」
ジュード「ミスラさんの言いつけ通りに隠しておけば…俺の…ァ"…」
ミスラ?「トビカゲリが大地を飛んでいる」
ミスラ/ノーヴァ 廻り始めた 歪な歯車
ノーヴァ 賢者様 楽しませてくださいよ
「アハハハ…ハハハ…!」
ファウスト
まるで走馬灯 はらはら舞う
花びらは雪に生まれては消えてゆく
まるで走馬灯 ちらちら舞う
粉雪は火の粉に赤々と染めてゆく
…
…
レノ「これは…ファウスト様の見ている夢だ…」
賢者「ファウストの…夢…?」
いつの僕 いつかの僕 忘れはしないあの日の僕
いつの君 いつかの君 忘れてやらない君のこと
フィガロ「部屋を出よう。ファウストが目覚める前に」
西 調べものの時間
シャイロック 調べるのはずばり
愛憎 巨大な鳥について
双子 うーんはてはて?
西 巨大な鳥の正体は?
双子 うーんはてはて?
西 頑張って思い出して
カイン「あ~だめだ!文字が多すぎて頭が痛くなってきた!」
賢者「量が多すぎますね…他の魔法使いの皆さんにも手伝ってもらいましょう!」
西 調べものの時間
スノウ 甘いものくれたら
ホワイト 肩を揉んでくれたら
双子「思い出せるかもしれんのう♪」
クロエ「もー!さっきもそういってたじゃんか!同じことばっかり言って…!」
ムル「じじいだからしょうがないよ!」
スノウ「じじいじゃないもん!」
ホワイト「じじいじゃないもんね!」
最年長/西/幼馴染/カイン/兄弟 調べものの時間
シャイロック 調べるのはずばり
愛憎 巨大な鳥について
全員
調べものの時間 荒らされた墓地 死体 なぞなぞ
不成立の儀式 なぞなぞ
シャイロック 調べものの時間
クロエ 一体何が何が
全員 なぞなぞ
ラスティカ 起ころうとしている?
全員 なぞなぞ
ムル 知りたい知りたい
全員 だから調べよう
ミスラ
「ハーブか……彼女も好きだったな…」
死に別れることには慣れています。
でも彼女とは付き合いが長かったので俺は……
「貴方がこの世にいないなんて…まだ信じられませんよ。…大魔女チレッタ」
傷オーエン
ララララ…僕の騎士様
賢者「オーエン?」
傷オーエン「!?」
賢者「よかった~まだ魔法舎にいたんです…ね…。オーエン?」
カイン「!?賢者様!オーエンから離れろ!!」
傷オーエン「騎士様…?騎士様だ…やっと…きてくれた…!」
ララララ…僕だけの騎士様
いい子にしてたら 助けに来てくれる 僕の騎士様
悪い人やっつけて 助け出してくれる 僕だけの騎士様
カイン「いったい…何を言ってるんだ…?」
湿った暗い場所 寂しかったけど 絵本があった
半分土になった騎士様の絵本 僕だけの騎士様
賢者/双子 急がなければ食い止めなければ
賢者 死の都にするわけには「いかない!」
主従 生ぬるい
元相棒 嫌な風だ
主従 ひたひたと近づく
元相棒 不吉な予感
ファウスト 何も起こらなければいいが
兄弟 気味悪い
リケ/フィガロ 嫌な風
兄弟 ざわざわ胸騒ぎ
リケ/フィガロ 不穏の兆し
リケ/兄弟 何も起こらないでお願い
カイン/幼馴染 急がなければ 食い止めなければ
都は必ず守る
西 不吉な予感
愛憎 不穏の兆し
西 死者を誘い出す風 今吹き荒れる
カイン/幼馴染 都を守る
アーサー 大事なものが
オズ 守るべきものが
強絆 あるから
強絆/賢者/双子 不吉な予感
+元相棒/ドラモンド/クックロビン 不穏の兆し
+西/幼馴染/主従) 死者を誘い出す風
+カイン/リケ/フィガロ/兄弟 今吹き荒れる
ジュード「あああああああああああ!!!」
ノーヴァ
はじめまして賢者様 ようやく壊れ始めた世界
無秩序と混沌の渦巻く異世界
全員Ah……
ヴィンセント
欲望がもし色を持つなら 薔薇色か虹色か飲み込まれそうな闇か
欲望がもし形を持つなら 自分とよく似た姿そうに違いないだろう
誰もがそうだ私もお前も 嘆きの歌が惨劇の幕開けを告げる
欲望がもし意思を持つなら 知らぬうちに独り歩き
もう誰にも止められない 幕が降りるまで
ヴィンセント/アーサー/賢者 嘆きの歌が惨劇の幕開けを
ヴィンセント/賢者 告げる
ブラッドリー「逃げろ!」
ネロ「ったく!後先考えず挑発しやがって!!もう二度とてめぇの誘いには乗らねーからな!!!」
ブラッドリー「っわかった!わかった!!とにかく、あの窓から飛び出すぜ」
ブラッドリー てめえは右で 俺は左
ネロ ふざけんな!
ブラッドリー 行くぜ
ブラッドリー「せーの!!」
ブラッドリー「おいおい!こっちくんじゃねーよ!」
ネロ「よっしゃ!右で当たりだ!これからずっと右を選ぶ!」
ネロ
アレを焼き鳥にしたら切り分けてやる さあどっち飛ぶ?
ブラッドリー てめえは
ネロ 右で
ブラッドリー 俺は左 くだらねえ! 俺を援護しろ!
ネロ「ったく!勝手なことばっかいいやがって…『アドノディス・オムニス』!」
ブラッドリー「『アドノポテンズム』!!っしゃぁ!逃げてくぜ!ざまぁみろ!」
…
…
ネロ 今度こそ手切れだ俺は右で てめえは左だろ
「あばよ!」
ブラッドリー てめえが行くなら
「俺もだ…ハッ!」
カイン
魔法は心で使うもの心次第なのは 人間も同じv
願いを叶えるための努力も心 覚悟を決めるのも心
憧れた騎士追い付きたかった背中
そこに宿るのは 気高き心
シノ
お前を守り抜きたい 俺の願いだ
誇り高くいてほしい
自慢の主君 共に歩みたい隣
そこに宿るのは 気高き心
スノウ「可愛い賢者ちゃんや若い魔法使い達、そしてこの世界の人間を護るためにも。少しくらいの無理はせんとな? では、行って参る!」
ホワイト「後は頼んだぞ、オズ」
双子「「せーの、『ノスコムニア』!」」
双子 光のスノードーム
スノウ そなたらを守ろう
双子 光のスノードーム
ホワイト この城を守ろう
双子 それが我らにできること やるべきこと
アーサー「賢者様、私も行きます。お二人の結界が破られないよう、あの鳥を揺動します」
アーサー
それが私にできること やるべきこと
オズ「待て、アーサー」
アーサー「心配はいりません」
私はオズ様の弟子ですから
アーサー「そうですよね? オズ様 」
オズ「…用心しろ」
アーサー「はい!」
賢者
言葉に誠実で心に正直 だから魔法使いは約束をしない
短い言葉が全てを物語る
アーサー「賢者様をよろしくお願いします。 行って参ります!」
民衆
空へ飛び立つ恐ろしき鳥の元へ 遠ざかる背中
オズ その背に何を背負う
民衆
魔法使いがみんなを守ってくれる
〈大いなる厄災〉から守ってくれたように
オズ
空へ飛び立つ 迷いためらうことなく
遠ざかる背中 その背はあの頃より……
ファウスト
「もうよせ、終わりにしてやる。『サティルクナート・ムルクリード』」
どんな呪いがお前をそんな姿にした?
欲望という名の 夢という名の 願いという名の
逃れられない呪いか 安らかに眠れ…深く眠れ…
ニコラス
魔法使いになりたかった
欲望という名の 夢という名の 願いという名の
逃れられない呪い
ファウスト
安らかに眠れ…深く眠れ…
_______
フィガロ
「君は君だよ。宝石がなくたって、君は幸せに笑っていただろう?」
君には君の名前があるだろう さあ 思い出して
それを取り戻し ありのまま君に
ジュード
ありのままの自分…
賢者「皆が協力し合う姿を見ながら、俺は前の賢者様が残した言葉を思い出していた。『俺はあいつらの…魔法使いの友達になりたい。』全ては理解出来ないかもしれない。だけど俺は、彼等の友達でいたい。彼等に寄り添って、一緒に大事なものを護るために戦う。 そんな仲間でいたい」
賢者 共に戦う者たち 戦う魔法使いたち
アーサー 生まれた時代や国や
師弟 生きてきた時間や経験や
オズ/双子 忘れてはならぬ 本当の名前
愛憎 守りたいもの 交わした約束
リケ/フィガロ/兄弟 浮かび上がった紋章
主従/カイン/幼馴染 背負わされた役目
強絆/双子 それだけが繋がり
全員 それだけの繋がり
賢者 因縁も絆も いつか意味を持つ 見えない糸
賢者/アーサー手を取り合い戦う 仲間が今
全員隣にいる
オズ
魂に受けた傷 逆らい抗う
お前は私たちを 導く者
この手に… この手に…
オズ「晶、私を信じろ。私もお前を信じる。悪いが運命を共にしてもらおう」
賢者「俺は、オズを…皆さんを信じます!」
兄弟/シャイロック 何度も何度もすれ違っても
師弟/カイン/リケ 伸ばした手はいつか届く
フィガロ/幼馴染 幾度も 幾度傷ついても
元相棒/オーエン 裏切られても
双子/ムル 忘れない優しさ
ミスラ/主従 確かに生まれた
賢者 小さな
賢者/強絆 信頼
賢者 最初は細くて 頼りない絆
オズ だがその指先に触れただろう
賢者 この指先で掴んだ
魔法使い 小さな信頼
賢者 この世界を
魔法使い 繋ぐ
賢者 ここに生きる人たちを
魔法使い 繋ぐ
ミスラ/元相棒/ムル/レノ/幼馴染/カイン 俺たちは(共に)
アーサー/リケ/双子/オーエン/ファウスト/シャイロック/師弟/兄弟 僕たちは(戦う)
魔法使い
集いし者たち 賢者の魔法使い
「『ヴォクスノク』!」
ジュード 空を飛び形を変え火を起こし
+クックロビン ぬくもりと光をくれる
+民衆 今訪れる真っ白な夜明け
ヴィンセント 全てを包み込む
+ドラモンド/民衆 まばゆい朝日
ヴィンセント 伸びる影さえも
+ドラモンド/民衆
白く染めて町が 目を覚ます
真っ白な夜明け 真っ白なはじまり
賢者
「こんな時間をもっともっと沢山増やして、小さな信頼を築いていければいい。この世界に俺がやってきた事、魔法使い達と出会った事に少しでも意味があるように。俺が賢者の書に綴る物語が、ハッピーエンドで終わる事が出来るように!」
魔法使い
はじめまして賢者様 ようこそ壊れかけの世界へ
魔法使いと人間が共存する異世界
今 鳴り響く
+賢者
触れた指先が奏でる はじまりの合図
アーサー/幼馴染/兄弟
呪いの言葉を いつか愛の歌にするために
カイン/主従/師弟
昨日の悪夢を 希望の正夢に変えるために
元相棒/愛憎/リケ
味気ない日々が 美味しいスープになるのなら
オズ/最年長/ミスラ/オーエン
誰かの望みが 明日世界を滅ぼすのを止めることだって
ノーヴァ 月に愛されたこの世界は
魔法使い 傷だらけで とても 美しい
賢者 これは始まりの終章 始まるための終わり
アーサー これは始まりの終章
全員 混乱した世界を鎮める物語は続く
廻る 廻る 巡る 巡る
繰り返される満ちては欠ける
繋ぐ 繋ぐ 紡ぐ 紡ぐ
破られることのない 約束を交わそう