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Lyrics

舞台『魔法使いの約束』祝祭

↑ 西の国 南の国 中央の国 東の国 北の国 ↓

西の国




賢者
不思議なエレベーターに乗って俺はやって来た
人間と魔法使いが共存する異世界
年に1度襲来する月 俺は賢者として
選ばれし魔法使いたちと立ち向かう
近づきすぎた〈大いなる厄災〉
歪みすぎたこの世界にもたらされた 奇妙な異変

鎮める方法は あるのか?


ファウスト「ある儀式が必要だ」
賢者「儀式?」

ファウスト
太古の神殿を甦らせ 原始の精霊を召喚する

ファウスト「そうする事で、その土地が持つ本来の力を取り戻す」
賢者「どういう事ですか?」
シャイロック「つまり…」

シャイロック
この世界は今 水を入れた油のよう 動揺して混乱して揺らめいている

シャイロック「その状態をもとに戻すために、太古から存在した原子の精霊たちを召喚して在るべき場所に定着させようという話です」
賢者「その精霊さんたちが土地に戻ってきてくれたら、世界の異変が落ち着くという事でしょうか?」
フィガロ「ああ、でも、原始の精霊たちは基本的に今の世界に嫌気がさして 眠りについてる状態だ。無理に呼び出したら怒り狂うこともあるかも」

ファウスト 精霊たちの怒りを鎮めて
フィガロ 精一杯機嫌を取る方法

フィガロ「それが聖なる祝祭だよ。」
……
シャイロック「基本的に精霊たちは土地の魔法使いを愛します。太鼓の神殿を蘇らせるには、その土地に縁のある魔法使いが良いでしょう」

シャイロック 
気に入るような衣装 気に入るような魔法使いたち
精霊のご機嫌取りが命綱
フィガロ 失敗したら命取り

フィガロ「下手したらこっちが石にされるかも」
賢者「かなり…危険を伴うんですね…」
……
ファウスト「皆、危険は承知だ。どうする? 賢者」
賢者「少し怖いですけど…やってみましょう…!」

賢者 聖なる祝祭
ムル 東 西 北 南 中央
ファウスト 5つの国の太古の神殿を 甦らせる
フィガロ/ファウスト/愛憎
聖なる祝祭 成功させなければ この世界の異変は続く
+賢者 聖なる祝祭
賢者 必ず成功させる
+フィガロ/ファウスト/愛憎
異変を鎮めるための儀式


ムル「いこう!祝祭の旅へ!」

幼馴染 いつか出会うこの道で
東保護者 かつて交わした挨拶
愛憎 あの時のサヨナラも
師弟 何度目の握手も
兄弟 隣で見ていた景色
南大人 二度と聞けないあの歌
全員 描き出そう 奏でよう 出発の序曲(プレリュード)

西 幸せの天秤は どちらに傾くのか…
 触れなければ 知らなかった温もり
 正しさの在処は いつか見つかるだろうか
全員 隠れていた傷ほど 疼く

朝焼けのまぶしさも 語り次ぐ千の夜空も
風に舞う砂の星屑 覚えておくから
耳の奥 鳴り響く 懐かしい誰かの声
何度でも握り返すよ 伸ばされた手を

西/南
傷ついて壊れかけたこの世界を 鎮める旅
賢者
傷ついて壊れかけたのは この世界か? それとも…?

全員
夕焼けの切なさも 泣き叫びたい夜明けも
風に散る夢の幻 覚えておくから
耳の奥 鳴り響く 懐かしい誰かの声
何度でも握り返すよ 伸ばされた手を
きつく きつく  固く 固く
きっと 君と  いつか 出会う
そして 旅の支度をしよう 出発の序曲


西
楽しいこと 魅力的なもの
刺激的なものが大好き ここは欲望の街
クロエ 噂話
ラスティカ 恋の話
シャイロック 財産の話
ムル 冒険の話
ラスティカ お喋りも大好き
西
嘘でも本当でも 心が踊れば良い
でまかせでも 真実でも 心が騒ぐのが良い

ファウスト「それは不実じゃないのか?」 ラスティカ「音楽を楽しむのと一緒だよ。心と体を揺らしたいのさ。一日に何度も、ね?」

せわしなくても 退屈よりは
刺激的なものが大好き ここは欲望の街


貴族達
祝福をあなたに アントニオ様に お誕生日のお祝い おめでとう おめでとう
祝福をあなたに アントニオ様に 西の国の栄華をもたらしたのは 貴方

「アントニオ様のマナ石採掘場にも祝福を!」

アントニオ
マナ石さえあれば 魔法などなくとも 力を得られる 魔法使いは時代遅れ
終わりなき我が国の栄光に乾杯 尽きぬ欲望に 乾杯
貴族達
祝福をあなたに アントニオ様に 
お誕生日のお祝い おめでとう おめでとう

「今日は存分に楽しんでくれ!」

おめでとう 60歳!

クロエ「60歳!?」
ラスティカ「あれ?」
クロエ「あれ?じゃないよ!10歳のアントニオ君じゃないじゃん!魔法使いは時代遅れって言ってるよ!?」
……
賢者「どうしよう…!?ちゃんと謝ったら許してもらえるでしょうか!?」
ムル「俺なら許さないね!」
賢者「そんな…」
ムル「だから 徹底的にやらないと!」賢者「ムル!?」
ムル「中途半端な混乱は嫌われる。だけど圧倒的な混乱は愛されるものさ。何故かって? ショーと同じだから!」

ムル
混乱をあなたに ここにいるみんなに
波乱のショーが開幕 おめでとう おめでとう
西
興奮をあなたに ここにいる皆様に
西の国の魔法は 貴方を楽しませる


クロエ
ただ正直に人と一緒に生きてゆきたい
ただそれだけならこういう生き方しか選べない
家なし魔女 La la la……


家なし魔女
空っぽのグラス 注ぐものはなにもない
空っぽの心 欲しいって気持ち忘れた それはどんな気持ちだった?
朝から晩まで働きっぱなし クタクタに疲れ 漏れるため息
でも仕事があるだけマシ 魔女なんかの私に

「このサロンにくるまでは……」

ひとりぼっち 路上で眠っていたあの頃
ひとりぼっち 自分を抱き締めながら
ひとりぼっち 誰も聞いちゃいないけど
ひとりぼっち 好きなときに歌を歌えた

「たのしかったな……、…っ!?何を言ってるの…!?もっと働かないと!もっと人の役に立って尽くさないと!!!」

アントニオ
いっぱいのグラス一杯じゃ物足りない
いっぱいのグラス 飲み干せばすぐになくなる たとえなみなみ注いでも
朝から晩まで熱に浮かされ 富を手に入れて漏れるため息
もっと生きている喜びを負け知らずの私に 私は守られている偉大な天才ムルに
辞書には乗っていない 敗北、失敗、空っぽのグラス
回せば当たる 選べば増える手を伸ばせば届く 幸運の頂きに

アントニオ/(家無し魔女)
足りないことが (欲しがることが)
怖い (怖い…) もっと (もっと…)
まだまだまだ足りぬ (役に立たなきゃ…)
もっと (もっと…)
注げるだけ注いで (幸せなんて)
溢れて飲み干して (夢見る資格はない)
また注いで味わいたい味わい尽くしたい (味気なくていい)
私の人生の楽しみ全て (私の人生なんて)


「アドバイスをしよう」

欠片ムル
ここに1つの天秤がある 幸福が続いて不幸が続いても
心は麻痺していく アンバランスでイカれてる 興味深い天秤

欠片ムル「ファゴルタの暴走を止めるには幸運の均衡を取り戻すことだ」

幸せ者に不運を 不幸せ者に幸運を 保たれる均衡 幸福の天秤
欠片ムル「君の幸運を祈っているよ。賢者様」
……
クロエ「どうやって幸運の均衡を取り戻せばいいのかな?」

賢者 ここに1つの天秤があるなら
師弟 幸福に傾いても不幸に傾いても
シャイロック 等しくあるべきもの
+師弟 アンバランスのままには させられない

ラスティカ 幸せ者に不運を
クロエ 不幸せ者に幸運を
シャイロック 保つべき均衡
+師弟 幸福の天秤

……
クロエ「魔法使いで、役立たずの自分が幸せになっちゃいけないって思ってた。だけど、そんなことない…!」

クロエ
旅の中で知ったこと 魔法舎に来て知ったこと 彼女に教えてあげたい
賢者/西
ここに1つの天秤がある 保つべき均衡 幸福の天秤

揺れて揺れて傾いて あっちこっちどっちそっち
保て保て 傾くな 大胆に繊細に想い乗せて
どうなる均衡? 幸福の天秤


ネロ「勝負仕掛けんだろ?気をつけろよ。…ってまぁ、あんた等なら大丈夫か」

東保護者 まもなく始まる 勝負のショータイム
シノ
楽しめよ西の魔法使い 窮屈なことは似合わない いつも通り好き勝手にやればいい

シノ「そういうあんた達が好きだ」

ヒース
楽しんでくれ 西の魔法使い 風がきっと後押ししてくれる
吹き荒れるさ 好き勝手な気まぐれな風

クロエ「ありがとう!俺達らしく頑張ってくるよ!」
ムル「滅茶苦茶に!」
シャイロック「ルール無用で」
ラスティカ「午後のひと時に紅茶を飲むように優雅に」

ラスティカ 全て片付いたらお茶会をしよう

ムル「その前に厄介なほうのパーティを片付けちゃおう!」

東/西 さあ ショータイムの始まりだ
……
ムル トランプカードを招待状に
シャイロック パイプの煙を蜃気楼に
ラスティカ 高鳴る鼓動華やかな音楽に
クロエ くたびれた洋服をとびっきりのドレスに
賢者
彼らは魔法使い 堅苦しいルールでは縛れない
この夜が浮き足立って 興奮している

……
ムル「賢者様は俺達と一緒にカジノルームへ!」
賢者「はい!」
……

賢者/愛憎 さあショータイムの始まり
……
ムル 俺とギャンブルをしよう
アントニオ ギャンブル?
ムル 勝ったらもっといいものをあげる
b ……
アントニオ 
後悔するなよ カジノルームの守護者天才ムルに出会ってから私は負け知らず
ムル
教えてあげる 甘くてほろ苦くて たまらない味
出会わせよう敗北の味
アントニオ
高貴な私の口に合うとは思えない
ムル
俺との勝負ではらぺこになった君は
きっと きっと この味を気に入るさ

アントニオ「条件がある。勝負をする前に約束をしろ。魔法やイカサマは使わないと」
賢者「約束!?魔法使いは約束を破ると…」

アントニオ 魔力を全て失い 魔法が使えなくなる

アントニオ「お前達は信用できないからな。どうだ?怖くて約束できないか?ハハハ!!」
ムル「いいよ」
シャイロック「ムル!?」

ムル 
約束しよう  西の魔法使いムルの名にかけて

ムル「魔法やイカサマは一切使わない!」
アントニオ「いいだろう、ゲームに乗ってやろう」

愛憎 さあ
アントニオ ギャンブルの
ムル ショータイムの
ムル/アントニオ 始まり!


クロエ「ラスティカが教えてくれたんだ。俺は自信をもって。自分を好きになっていいって!」

クロエ 誰にでも幸せを掴む権利はあるって

「誰かに幸せを譲っていくより、自分で幸せを掴んで幸せになったほうが、もっと沢山の人を幸せにできる…って」

ラスティカ
君が笑ってくれたら 僕が幸せになる ほら 幸せな人が増えただろう

クロエ「だから教えて…君の幸せ」
家無し魔女「私の幸せ…?なんだろう…。あったような気がするけれど…言われたことがちゃんと出来て、怒られないで、嫌われないで……」
ラスティカ「ねえ…目を閉じてみて」

君がいるのは広い草原 周りには誰もいない
気持ちいい風が君の綺麗な髪を揺らしていく

ラスティカ「そこで何がしたい?君は君自身にどんな幸福を与えたい?」
家無し魔女「私が…私自身に…?」

クロエ ただ正直に君がしたいと思うこと
ラスティカ ただそれだけ
師弟 ほら君の背中を押す風が吹くよ

「… 歌 …!」

家なし魔女
Lalala…… 

「素敵な歌を…思いっきり歌ってみたい…」

悲しい歌や 自分を慰める歌じゃなくて
私が 私が…!

クロエ「君が楽しい歌!」

……

クロエ「『スイスピシーボ・ボイティンゴーク』」
家無し魔女「っうわぁ…!」
クロエ「思ってた通りぴったりだよ!あとは綺麗にメイクしよう!どんな風になりたい?お姫様?女神様?女騎士?」
家無し魔女「……西の魔女…、素敵な西の魔女になりたいな…」
ラスティカ「もうなってるよ。 君は生まれた時から、素敵な西の魔女だ」
家無し魔女「っ…ありがとう!!」

クロエ/家なし魔女 誰にでも幸せを掴む権利はあるんだ(のね)
ラスティカ 君が笑ってくれたら(笑えば)
クロエ みんなが幸せになる(幸せ)
ラスティカ ほら
クロエ ほら
師弟 幸せな人が増えていく
家なし魔女 空っぽなグラスに 注ぐの笑顔と歌を
師弟 生まれたばかりの歌姫
ラスティカ 君の炎と
クロエ 君の歌で
師弟 世界を変えよう

ラスティカ「さあ。ステージの準備をしよう!」


大波乱の幕開け 圧倒的不利 勝負は時の運 勝負は確率論 賽は投げられた ……

大波乱の展開 立たされた窮地 勝負は時の運 勝負は確率論 賽は投げられた
……

家なし魔女 手にしたグラスに何を注ぐ? 目を閉じて想像してみるの すると風が教えてくれた 君の幸せを注ぎなよと

シャイロック「ラスティカと、あの魔女のお嬢さんですね。心の情熱の火を灯すような、素敵な曲です」

手にしたグラスに何を注ぐ? 
それは風の流れを変える 小さな運命のひとかけら

ムル「大丈夫、こんどこそ…… !、 賢者様?」
賢者「一気に飲み干して下さい」


ムル「勝負はこれからさ」

東/シャイロック 目が離せない 聞き逃せない ドラムよりもうるさい 心臓の音

家なし魔女 手にしたグラスに
+POW-ers 何を注ぐ?
シャイロック/賢者/POW-ers 目が離せない  家なし魔女 忘れていた
シャイロック/賢者/POW-ers 聞き逃せない 家なし魔女 こんな気分!

アントニオ「いきなり勝ち始めるなんておかしい!イカサマだろ!」
ムル「魔法でもイカサマでもない。確率の計算と記憶力と心理戦さ」

ムル ギャンブルは運じゃない 数学と哲学さ
+賢者/POW-ers 大波乱の開幕 大逆転劇 
勝負は  ムル「指輪も宝石も取り戻した!」
勝負は  ムル「まだ勝負を続けるかい?」アントニオ「いいだろう…」
投げられた賽の行方は?

ムル「なら、天空離宮を賭けて貰おう」
アントニオ「…いいだろう…。その代わりに私はお前の命を貰うからな!ハハハ…」
ムル「かまわない。 指が震えているよ?伯爵」

………

賢者「シャイロックの店がなくなると困る。お気に入りだからと…言っていました」
シャイロック「そうですか……。   なら、私も……」

役目を果たさなければ

「幸運の均衡が保たれつつある今であればファゴルタの気配を消し去ることが出来るでしょう。『インヴィーベル』」


東/西Ah ah ah…………
賢者
突如襲われた感じたことのない衝撃
次に訪れたのは 得体の知れぬ何かの気配

西・POW-ers)今こそ甦れ 太古の神殿よ
ムル恐怖が
シャイロック快楽が
ラスティカ歓喜が
クロエ期待が
東/西混じり合い 溶け合い 今ここで目覚める
太古の神殿よ
『エアニュー・ランブル』『アモレスト・ヴィエッセ』『スイスピシーボ・ボイティンゴーク』『インヴィーベル』『マッツァー・スディーパス』『レプセヴァイヴルプ・スノス』『アドノディス・オムニス』『サティルクナート・ムルクリード』 全員Ah ah ah……


賢者/西/東
聖なる祝祭 1つ目は無事終えた
異変を鎮めるための儀式はまだ続く



南の国


兄弟 東 西 北 南 中央
南大人 5つの国の太古の神殿を甦らせる

聖なる祝祭 必ず成功させる
異変を鎮めるための儀式



ルチル 旅の支度をしよう 故郷(ふるさと)の見たことのない場所へ
レノ 旅の支度をしよう 行先を調べるだけ調べて
ミチル 旅の支度をしよう その先にどんな出会いがあるだろう
 準備も旅の一部 愛せる時間はもう始まっている
フィガロ
のんびり ゆっくり 役目に背中を押されるんじゃなく  自分の心と体で 世界に触れてごらん
ミチル
ドキドキわくわく 頭を撫でてくれる温かい手 自分の心と体で触れて見つけたい
兄弟 かけがえのない何か
 まずは荷造り!

賢者「どんな荷物を用意すればいいんだろう?」
ミチル「賢者様!一緒に荷造りしましょう!」
賢者「いいですね!楽しそう!」

賢者 水筒 賢者の書 ランタンそれから
ミチル 着替え 薬草に 食料 ナイフに寝袋 それからそれから
賢者/ミチル 荷物パンパン 荷物パンパン!

賢者「こんなに入りきるかな」
ミチル「フィガロ先生に小さくしてもらいましょう」
賢者「魔法って便利…」

…………
ルチル「長い旅になりそうだって言ったら、ほかの国の魔法使いさんたちが色々差し入れをくださったんです」

レノ アーサー様から旅行記用の本 それから ファウスト様から薬を 胃薬痛み止め
+賢者/兄弟 それからそれから 荷物パンパン 荷物パンパン!

ルチル「カインさんからは、かっこいい短剣も借りました!」
ミチル「いいなぁ!それ、僕が持っていきます!」
ルチル「これはかっこいいから兄さまが持つの!」
ミチル「ええ、ずるい!兄さまはぼんやりしているから、鞘をなくしちゃいますよ!」
ルチル「大丈夫だってば!ミチルにはこっちを貸してあげる!」

ルチル ヒースから預かった方位磁石
ミチル 方位磁石?
レノ 東西南北がわかるんだ 石の先端が北を指し示す
ミチル「すごい!」 探検家みたい!

ミチル「僕、剣よりこっちがいいです!」
ルチル「短剣だってかっこいいもん」
賢者「あの!これ…なんですか…?」
ミチル「死んだ鳥の剥製…?なんだか、臭いもきついですね…」

ルチル ミスラさんから預かった魔法の笛
ミチル 魔法の笛?
ルチル 
危ないときこの笛吹いたら助けに来てくれる なんて ちょっとカッコいいでしょ?

……
レノ「スノウ様とホワイト様からこれを賢者様に」
賢者「これはなんですか?」

レノ 魔法のステンドグラス

レノ「水に濡らして星空に翳すとその星空の模様を真似るそうです。旅の思い出に作ってみてください」
賢者「いいですね!後でお礼を言わなくちゃ!」

賢者 旅の支度をしてると 任務なのにどんどん楽しみになる

………
賢者「レノックスの旅の思い出はどんなものですか?」
レノ「一言で言うのは難しいですね…なんというか…」

レノ
忘れられない光景 忘れられない体験
もう二度と出会うことはないけど 忘れられない人、顔 交わした言葉…
全てが旅の一部
賢者/兄弟/レノ 愛せる時間 かけがえない時間



賢者/南/西 真っ青な空 赤土の大地 朝日に輝く雄大な景色
 鳥の群れにおはよう
西 突風にこんにちは
 胸いっぱい深呼吸
西 日差しにウインク

南/西 なんて素敵な空の旅



西 
踏みしめた土 光る赤土 肩を寄せて囲む食卓
その身に委ねる 大地の行方 それがこの国の生き方
西師弟 落ち込むことがあったなら隣のドアノックをして見よう
ムル「いらっしゃーい!」
シャイロック 毎日誰かと共に働き 共に喜び共に生きる
西師弟 ぬくもり分けあい寄り添う相手 温めていこう
ムル 愛していよう

西
踏みしめた土 光る赤土 誰かのために生き抜くために
自分で歩く大地の行方 それがこの国の生き様



ルチル「赤に…どの色を混ぜたらいいんだろう…」
賢者「あ…」
ルチル「賢者様?」

賢者 夕日の赤はまるでオズの目の色 夕日に染まる大地はクロエの髪の色
ルチル 光る地平線は ヒースの髪の毛
賢者 遠くの山の光ってるところは ルチルの瞳の色

「私の?  本当だ…!」

赤く光る川は カインの髪の毛
ルチル 赤く揺れる木々は ミスラさんの髪の毛
賢者 渡り鳥の影は レノックスの髪
ルチル 遠くの空の 夜の始まりは ムルさんの揺れる髪の毛

賢者/ルチル
なんて愛しい時間 忘れることはないだろう もしかしたら手に入れたのかも
かけがえのないもの

ルチル 迫り来る星空は シノの髪の毛
賢者 輝く星の光は スノウとホワイトの瞳の色
ルチル 誰かに伝えたい どんなに素敵だったかを
賢者 誰かに伝えたい 心が震えたこの瞬間を
賢者/ルチル なんて愛しい時間 忘れることはきっとない
ルチル 私は
賢者 俺は
賢者/ルチル 手に入れたかけがえのないもの

『みんなのアイドル』

賢者/南
みんなのアイドル ムゥムゥ 来る日も来る日も見れば笑顔になれる
旅の間のみんなの癒やしムゥムゥ ふわふわでモコモコ
南大人 まるで綿帽子でできたぬいぐるみ
兄弟 ぬくぬくでもふもふ
 まるであったかい抱き枕

賢者/南
長い手足 埋もれる手足 柔らか毛並み つぶらな瞳 文句なし
みんなのアイドル ムゥムゥ

・・・・・・・・

『みんなのアイドル』②

賢者/兄弟
前から見ても可愛い後ろ姿も可愛い 寝ても  起きても  歩いても  転んでも
何しても可愛い みんなのアイドル みんなのアイドル ムゥムゥ

ミチル「たくさん素敵なものに出会った気がするのに…これが空っぽのままじゃ、何もなかったみたいですよね」
ルチル「何もないなんてことはないよ」
ミチル「兄さま…」

ルチル
空っぽの瓶に 溢れるくらいたくさん  空っぽの瓶に 入らないほどの宝物
ミチルは手に入れたでしょ?

旅の中で すごい冒険をした一緒に
旅の中で 友達に出会い 助けて
旅の中で 一生 忘れられない
旅の中で 素敵な思い出が いっぱい

ルチル「偉かったね、ミチル。ムゥムゥも忘れないよ。仲間のところに連れてきてくれた勇敢で優しい魔法使いの事を」
ミチル「…賢者様、兄さま。ボクは、ボクはムゥムゥを助けてあげられましたよね?」
ルチル「もちろん」
賢者「そうですよ、ミチルのシュガーで助けてあげたんですよ」
ミチル「ボクのシュガーで助けて、家族のところへ送り届けて…ボク、いい事をしましたよね?ボク、ムゥムゥと友達でしたよね…?」
ルチル「もちろんだよ。 素敵な友達に出会えてよかったね。 旅に出て、よかったね。ミチル」

兄弟 空っぽの瓶は 知らないうちにいっぱい  空っぽの瓶は
ミチル 言葉にできないもの
ルチル 表現できない 色
兄弟 かけがえのないもので いっぱい  いっぱい
賢者
忘れられない光景…  忘れられない体験…
もう二度と出会うことはないけど 確かに出会った
入れるために空っぽだったんだ

南/西 全てが旅の一部
賢者 愛せる時間
賢者/南/西 かけがえない時間

南/西 Ah ah ah…………

南/POW-ers 今こそ甦れ 太古の神殿よ
フィガロ 不安が
ルチル 愛しさが
レノ 素朴が
ミチル 親しさが
南/西 混じり合い 溶け合い 今ここで目覚める 太古の神殿よ

『オルトニク・セトマオージェ』『フォーセタオ・メユーヴァ』『オルトニク・セアルシスピルチェ』『ポッシデオ』『エアニュー・ランブル』『アモレスト・ヴィエッセ』『スイスピシーボ・ヴォイティンゴーク』『インヴィーベル』


全員Ah ah ah…

賢者 ここで見上げた星空 今しか見られない空
兄弟 あの星の傾きも瞬きの音色も
南大人 隣で見ていた景色 二度と聞けないあの歌
賢者/南 描き出そう 奏でよう 終わらない序曲

西 しあわせの天秤は どちらに傾くのか
 触れなければ 知らなかったぬくもり
 正しさのありかは いつか見つかるだろうか
全員 祝福の歌声が 響く

朝焼けのまぶしさも 語り尽くせぬ夜空も
風に舞う砂と星屑 覚えておくから
耳の奥鳴り響く 懐かしい誰かの声
何度でも握り返すよ 伸ばされた手を

家なし魔女 誰かに伝えたい 自分に自信を持つこと
アントニオ 誰かに伝えたい 心が震えたあの勝負を

全員
夕焼けの切なさも 泣き叫びたい夜明けも
風に散る夢と幻 覚えておくから
耳の奥鳴り響く 懐かしい誰かの声
何度でも握り返すよ 伸ばされた手を
きつく きつく 固く 固く
きっと 君と いつか 出会う そして旅は次の国へ
今はまだ序曲



中央の国


賢者
近づきすぎた〈大いなる厄災〉 歪み始めたこの世界 もたらされた奇妙な異変 鎮める方法は……
双子
「聖なる祝祭じゃ」
太古の神殿を甦らせ 原始の精霊を召喚する
+賢者 聖なる祝祭

スノウ「西の国と南の国の聖なる祝祭は、見事成功した。ご苦労じゃったな、賢者」
賢者「はい!」
ホワイト「じゃが、混乱した世界を安定させるためには、5つの国のすべての神殿を蘇らせる必要がある」
賢者「残りは3つ」
スノウ「次なる聖なる祝祭は、中央の国!」
クロエ「『スイスピシーボ・ヴォイティンゴーク』!」
スノウ「サポートするのは、南の魔法使い達じゃ」

オズ 東 西 北 南 中央
アーサー 5つの国の太古の神殿を
カイン/リケ 甦らせる

双子/中央/南 聖なる祝祭
賢者 残りも成功させる
全員 異変を鎮めるための儀式

中央主従 いつか出会うこの道で
オズ/リケ かつて交わした挨拶
ファウスト/ヒース あの時のさよならも
シノ/ネロ 何度目の握手も
双子 隣で見ていた景色
北3 二度と聞けないあの歌
 描き出そう 奏でよう
全員 出発の序曲

中央 見る角度が違うだけで 崩れゆく正義
 閉ざされた孤独の出口 探して
 隣り合わせの闇が微笑めば 死の予感
 語り継いでゆくのは 奇跡

全員
朝焼けの眩しさも 語り尽くせぬ夜空も 風に舞う砂と星屑 覚えておくから
夕焼けの切なさも 泣き叫びたい夜明けも 風に散る夢と幻 忘れはしない

オズ/ミスラ/シノ 傷ついて壊れかけたこの世界を 鎮める旅
賢者 傷ついて壊れたのは この世界か、 それとも…?

全員
耳の奥 鳴り響く 懐かしい誰かの声 何度でも握り返すよ 伸ばされた手を
きつく きつく 固く 固く
きっと君と いつか出会う

そして旅の支度をしよう
出発の序曲

オズ
埋もれていた遺跡が今顕になる
かつて確かにあった 古代都市メサ
賢者 まるで神様と同じ力

アーサー オズ様はおりませんが どうかご安心ください
カイン 何が起きたって 傷1つ付けさせない
アーサー この身に変えてもお守りします  私が
カイン アンタのために命を懸けよう  俺が

カイン「命を懸けるのは騎士の仕事です。殿下は王子なんですから、あんまり無茶をしないでくださいよ?」
アーサー「なんだ突然敬語になって!賢者様の魔法使いという立場の上で私達は平等なはずだ」

カイン アンタは主君だ  俺の
アーサー かけがえのない友人だ  私の

アーサー「友人になってほしいと言って、恐縮しないでいてくれたのはカインくらいだ」
カイン「ははは!俺は図々しいから」
アーサー「そんなところが好きだ。だから急に部下にならないでくれ。私とお前は、対等だろう?」
カイン「そこばかりは譲れないな!」

カイン 主君を守ってこその騎士だ  俺は

カイン「恰好をつけるために見栄を切らせて貰う!」
アーサー「カインは格好いいよ」
カイン「ははは!光栄の至りです、殿下!」
賢者「なんだか二人は気の合う兄弟みたいですね」


・・・・・


リケ
お腹の調子はいかがです? そんなしかめっ面で 無理しないで

オズ「いや…」
リケ「ネロから貰ったおやつを食べられないなんて…」

なんて可哀想なオズ!

オズ「一人で食べて良い」
リケ「わーい!では遠慮なく!…なんでしょうこれ…四角いスポンジ?」
オズ「…パウンドケーキだ」
リケ「御存じなのですか?」
オズ「ああ、昔な…」

オズ 焼いたことがある 焦がしたが……

…………
オズ
お前にとっての救済でも相手にとっては悲劇
見る角度1つで そうなり得る…

吟遊詩人
一夜に滅びた 世界一の都市 かつて確かにあった古代都市メサ

アーサー「これは…幻影…?」
カイン「メサの…亡霊達か…!」

メサの民 ようこそメサへ
吟遊詩人 明るい笑顔
メサの民 交わし合い
吟遊詩人 この都を愛し
メサの民 誇りに思う
吟遊詩人 懸命に生きる
メサの民 生きる 世界一の都
吟遊詩人 だが……

……
「この子は魔法使いだ。魔法使いは秩序を乱す。強い力を持つ前に殺して石にするのだ」

「悲しむことはない、魔法使いの石は高く取引できる。メサの繁栄の源だ!!!」
アーサー「っ待て!!!!」

メサの民
全てはこの都の繁栄のため  それが正義   世界一の都メサ  正しきこと

アーサー「メサの繁栄は…魔法使いの犠牲によって築かれたものだったのか…」
カイン「こんな時代があったなんて…」
賢者「この都の人たちは…魔法使い達を石にすることが正しい事だと信じていたんですね…正義って…正しい事ってなんなんでしょう…」

吟遊詩人
我が歌を聴いてくれ 魔法使いを虐げてはならぬ 精霊の王がお怒りだ

賢者「精霊の王…?」

精霊の王は言った この都を滅ぼしに来ると
メサの民たちよ 心を改めよ
正しきを見極めなければ
………
1年前命乞いをした 凍てついた炎のような瞳のあの方に

どうか1年だけ……!

「なのに僕は…メサの民を変えるどころか…自分が魔法使いだという事も話せないまま…」

全てを諦めてこの都を捨てようとしてる……

アーサー「メサの亡霊達が…何故オズ様の名を…?」
カイン「…様子がおかしい、昌、俺から離れるな」
賢者「っはい…!」

亡霊達ああ……オズよ ああ……どうして……

アーサー「来るぞ!!!!『パルノクタン・ニクスジオ』」
賢者「見てください!!あそこに砂に埋もれた骨の山が!」
カイン「もしかして、行方不明の旅人は!!」

……
中央主従 彷徨う魂よ 砂の亡霊よ 今こそ鎮まれ!

アーサー「ああああ…」
カイン「アーサー!!!よくもっ…『グラディアス・プロセーラ』!!」
賢者「カイン!!!」
……
亡霊達Ah……
……
カイン「オズを探してアーサーを助け出してくれ。頼んだぞ!」
賢者「待ってください!呪いを受けるって何ですか!!!!」

カイン 彷徨う魂よ 砂の亡霊よ 受け止めてやる  俺が!!!

賢者「嫌です!!カイン!!カイン!!」
カイン「『グラディアス・プロセーラ』!!!」
賢者「カイン!!!」

亡霊達Ah……

オズ お前が望むなら
  アーサー 覚えている
オズ この世界の祝福を全て
  アーサー 優しい
オズ お前が健やかなら
  アーサー 声も
オズ 他に何も望まない
  アーサー 温もりも

「どうか私より先に、石にならないでくれ…」

オズ 切なる願い

「『ヴォクスノク』!」

精霊Ah……
中央 今こそ甦れ 太古の神殿よ
カイン 信念が
アーサー 勇気が
リケ 使命が
オズ 不屈が
中央/南
混じり合い 溶け合い 今ここで目覚める 太古の神殿よ

『パルノクタン・ニクスジオ』『グラディアス・プロセーラ』『サンレティア・エディフ』『ヴォクスノク』『オルトニク・セトマオージェ』『フォーセタオ・メユーヴァ』『オルトニク・セアルシスピルチェ』『ポッシデオ』

全員Ah ah ah……



東の国


双子
聖なる祝祭 3つ目も無事終えたぞ
異変を鎮めるための儀式はあと2つ

ファウスト「さあ、行こう…」

 誇り高き孤独を連れて 旅立ちの時
ファウスト 一人一人が持つ役目
ヒース 生まれ持ったものか
ネロ 背負わされたのか
シノ 手に入れたのか
ファウスト 時に押し潰され 時に見失う
ネロ 知らぬ間に塞いだ
幼馴染 世界へ続く出口

ファウスト「ここに東の太古の神殿が…」
賢者「スノウとホワイトが言ってた場所に間違いなさそうですね…」

ネロ 鬱蒼とした山の麓
ヒース 捨てられ 忘れられた
シノ 墓場のような 薄暗い景色
ファウスト だがここに生きている者たちがいる

ファウスト「水源が多いようだ…足元の土も湿っているし、あそこにも小さな滝が見える…」
ヒース「でも、あまり綺麗ではなさそうですね…変なにおいがする…動物の死骸が腐ったみたいな…」
シノ「死臭だな」

………

魔法使いは心で魔法を使う 心 乱されれば……

「常の力は出せない。人も魔法使いも動物も、心を乱す不快なものは同じだ」

死臭と絶命の声
………
ファウスト「シノは大丈夫か」
シノ「別に…死臭や絶叫は、俺が生まれた場所だ」

シノ ブランシェットにたどり着くまで 這いずり回っていた場所

ヒース「シノ…」
シノ「俺にとっては昔馴染みだ。  いくぞ」

 誇り高き孤独を連れて 果たすべき役目

スノウ 痛みを知る分
ホワイト 用心深く
スノウ 注意深く
ホワイト 愛情深い

オーエン「愛情深いかなぁ?」
ブラッドリー「恨み深いの間違いじゃなくてか?」
ホワイト「そなた達もいまにわかる。 さあ、」
双子「「ミスラよ」」
ミスラ「…『アルシム』」

Hm……深い森が追い掛ける
Hm…深い森に迷い込む

Hm……

深い闇に……
潜んでいたのは…



POW-ers どうして真っ暗なの?
 厚い雲が覆うから…
POW-ers どうして真っ暗なの?
 両目を覆われてるから…
POW-ers ねえ知ってる?塞いでいるのは 自分の両手



東/北/POW-ers
誰かにとっての出口は 誰かにとっての入口 見る角度1つでそうなり得る
ねえ知ってる?答えなんて


ザシャ「ないんだよ」

幼馴染/賢者
迷い込んだのは 深い夜 深い森 その闇の奥に潜んでいたのは……

シノ「捨てられた墓場みたいな村…ただそれだけだ」
ヒース「シノ…」
ザシャ「お前っ!!!」
シノ「俺もそうだった。親に捨てられて、世界に忘れられた。何もなかった」

シノ
独りで生きて1人の世界にいた
耳を塞いで世界を切り離す
孤独の内側でなら俺が主人公

シノ「俺以外の連中は、全員馬鹿で 弱くて、くだらなくて価値がない!俺も価値がないが、お前等にもないって!!  そう思う事で生きていられた」
………
シノ「斧を置け! この村で役目を終えたら、お前を村から連れ出して!」

どこかに辿り着かせてやる 俺が辿り着いたように!

ヒース「ザシャ、どうか俺達を信じてくれないか」

ヒース
魔法使いだけど 君を傷つけたりはしない  絶対に


・・・・・・


ネロ
外を遮断し この村だけが全て
嘘がいつか本当に思える
孤独の内側で 手に入れたのは
ファウスト/ネロ 生き甲斐になる役目

ネロ「役目ってもんは時として甘い味がするもんだよ、何もないような奴には特にさ」
ファウスト「…僕はそう思わない」
ネロ「そりゃあんたはな!今は随分拗ねて不貞腐れていじけて引きこもっちゃいるが…根っこが指導者の気質だ」
………
ネロ「俺は自分のない男だったから、求められて役目を与えられりゃ涎垂らして喜んだ。俺のいう事何一つ聞いちゃくれねー相手だって知って、辛抱ならなくなったって…」

ネロ 俺がいなきゃ困るなんて言われりゃ尻尾ふって 感激した
………
ファウスト
手に入れた役目を手放せず しがみついたまま  ほの暗い孤独の内側

シノ「あんたは、俺が護る、俺の役目だ!!!」
ヒース「シノ…」
シノ「ヒース…」
ヒース「賢者様、逃げてください!!!行くぞ、シノ!!!」
シノ「ああ!!」

ヒース 一人一人が 持つ役目
シノ 生まれもったものでも
ヒース 背負わされたものでも
シノ 手に入れたものでも

幼馴染 誇り高き孤独を連れて
 果たすべき役目

賢者「ファウスト!!ネロ!!」
………

ファウスト 誰でも一人
ネロ 誰もが一人

ファウスト「『サティルクナート・ムルクリード』」
ネロ「『アドノディス・オムニス』!」

賢者
彼らを繋ぐ 誇り高き 孤独
気高き役目 仲良しではなく 仲間
ひとりぼっちではなく 一人

「彼等のそんなところが好きだ…!」

精霊 Ah……
 今こそ甦れ 太古の神殿よ
シノ 孤独が
ネロ 寂しさが
ヒース 心細さが
ファウスト 孤高が
東/北
混じり合い 溶け合い 今ここで目覚める 太古の神殿よ

『マッツァー・スディーパス』『レプセヴァイヴルプ・スノス』『アドノディス・オムニス』『サティルクナート・ムルクリード』『アルシム』『クーレ・メミニ』『アドノポテンスム』『『ノスコムニア』』

全員Ah ah ah……



北の国


双子
さあ作戦会議じゃ あやつらをどうやって早く寝かせるか

ホワイト「そなた等!我らの命に従ってもらうぞ!」

オーエン「何、突然…大人の恰好したりして…」
ブラッドリー「そ、そんな恰好したって、び、びびったりしないぜ…」
双子「きいてる きいてる!」
ホワイト「そなた等は存外、見た目に左右されるからのう」
ミスラ「で?俺達に何をさせようっていうんです?」

早寝じゃ!

北3「「「は?」」」

じゃから早寝じゃ!

………
ブラッドリー「おい!早寝させてどうしようっていうんだ!」

明日 楽しいおでかけがあるのじゃ! 出発は日の出前!

ブラッドリー「ふん!!じじいのスケジュールだ!!!」
スノウ「朝日は気持ちよいぞ~♪」
………
ああ作戦変更じゃ!こやつらが素直に従うわけない!

ブラッドリー「俺に、考えがある」

ブラッドリー
さあ作戦会議だ このまま双子の言いなりはごめんだ!

ブラッドリー「俺達を押さえつける邪魔者はオズだ」
………
オーエン「そうか、僕が鞄に入れてる犬みたいに<大いなる厄災>が来た時にだけ、封印を解いて戦わせればいいんだ」
ブラッドリー「その通り!」

あいつさえいなけりゃ俺たちの天下!

北3 どこでだって 好き勝手やれる!

ミスラ「今夜、オズを封印しましょう」
………
ブラッドリー「まてまて、魔法舎でやるのはまずい、双子もフィガロもすぐに駆けつけてくるだろう」
ミスラ「じゃあどこでやるんです?」

明日 楽しいおでかけがあるのじゃ  行き先は北の国 

オーエン「北の国で夜まで時間を稼げば…」
………
オーエン「賢者に邪魔されると厄介だね…」
ミスラ「ま、賢者は俺が何とかしてやりますよ」
ブラッドリー「まかせた!!」

北3
さあ作戦決行だ最悪で最凶な俺たちの
最悪で最高な作戦

「黙っておれ。

北の魔法使いにも矜持がある。そなたの足裏で踏み荒らすことは安かろうが、多少は慮るがよい」

ホワイト
決して揺るがぬ己の意地 決して怯まぬ己の矜持

ホワイト「たとえ愚かしがろうが、我ら意地を失ってまで生きてはおれん」
ミスラ「幽霊が言うと説得力がありますね」
ホワイト「余計なお世話じゃ」

スノウ
そなたにもあるじゃろう 決して失えぬ己の矜持

スノウ「ま、ひとつ飲んでやれ。焦るような時刻でもなかろう」

………
賢者「北の魔法使いの矜持…」

賢者 それがわかれば触れられるのかな…  その心に

ミスラ「危険は承知ですけど、 ま、俺が俺はやれると思ってるので」

賢者 思わず見惚れた 己の力を信じている 北の魔法使いは……

賢者「間違いなく、格好いい!」

………

 どれだけ真っ暗でも
賢者 深い闇に覆われても
 どれだけ真っ暗でも
賢者 両目をしっかり開いて

 誇り高き 光と闇が拮抗する Ah……扉の外 夜が明ける


………

「それでは、はじめるぞ『『ノスコムニア』』」

『アルシム』『クーレ・メミニ』『アドノポテンスム』『『ノスコムニア』』『パルノクタン・ニクスジオ』『グラディアス・プロセーラ』『サンレティア・エディフ』『ヴォクスノク』

Ah……

吟遊詩人
西からはじまり 南の果てへ  欲望と信頼 鞄に詰め込んで
中央に吹く 正義問う風  東の深い闇に息づく奇跡
決してゆるがぬは 北の矜持

歌い継ごうこの歌を 勇敢な魔法使いたちの 物語

………

 語り継ぐ物語

吟遊詩人 思い出宿る品を
 お土産も
吟遊詩人 いつか懐かしみながら
 懐かしみながら
吟遊詩人 語る時が来る

南/吟遊詩人 この歌は 賢者の魔法使いたちの 賛歌

賢者「あ…空にまだ月が残ってる…」

賢者 朝の色に染まる空 今にも消えそうな月
 いくら手を伸ばしても 届かぬもどかしさ

強絆/双子 隣で見ていた景色
因縁/ミスラ 二度と聞けないあの歌
アーサー/リケ/ブラッドリー/賢者 描き出そう 奏でよう
中央/北/賢者 終わらない序曲

中央 誰かにとっての出口は 誰かにとっての入口
北/賢者 出て行くか戻るか 通過点か
中央 誰かにとっての光は
 誰かにとっての暗闇
中央/北 照らしては消し去る その繰り返し

中央/北/賢者
朝焼けのまぶしさも 語り尽くせぬ夜空も
風に舞う砂と星屑 覚えておくから
耳の奥 鳴り響く 懐かしい誰かの声
何度でも握り返すよ 伸ばされた手を

中央 見る角度が違うだけで 崩れゆく正義
 閉ざされた孤独の出口 探して
 隣合わせの闇が微笑めば 死の予感
 語り継いでゆくのは 軌跡

賢者
月から世界を守るための戦いはまだ 幕を開けてもいない

全員
夕焼けの切なさも 泣き叫びたい夜明けも
風に散る夢と幻  覚えておくから
耳の奥 鳴り響く 懐かしい誰かの声
何度でも握り返すよ 伸ばされた手を

きつく  きつく  固く  固く
きっと  君と  いつか  出会う
そして 旅は 次の章へ

序曲のその先へ



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